学びて然る後に足らざるを知る にじいろ特許事務所 管理統括 大嶌肇子

「学びて然る後に足らざるを知る」

 知財人として道半ば・・・そう想いを吐露した女性の姿に少なからず驚きを覚えた。彼女の名は大嶌肇子さん。知財業界で長いキャリアと実績を誇り、特許業務法人にじいろ特許事務所の管理統括を一手に担うエキスパートだ。そんな彼女をして道半ばといわしめるものとは。厚いベールに包まれた特許事務所のバックオフィス、特許事務のリアルに迫った。

 ――どんなお仕事をしているのでしょうか
 特許事務ですっ!ていっても分かりにくいですよね。特許事務のお仕事は大まかにいって、お仕事をうけたときの処理(受件とか受任とかいいますね)→特許庁への手続き(弁理士のサポートです)→お客様への報告および請求、の流れで進みます。その流れの中に様々な付帯作業があります。書類のやりとりやレター作成なんかはもう無数に(汗)。かなーり地味です。あと、お客様が海外の方だったら書類を翻訳しなくちゃいけません。もちろん返信するときは英語だったりします。さらに、今お話した流れにはタイムスケジュールが存在しまして、お客様との間だけでなく、法律で定められた期限(いわゆる法定期限)を徒過しないよう細心の注意を払いながら進めていかなければなりません。この期限管理を怠ると、取り返しがつかない事故に発展することもあるため厳に管理する必要があります。この一連の流れは本来弁理士の業務として位置付けられていますが、弁理士は他にも権利化や訴訟に関わる様々な専門業務を抱えているため、全てを弁理士に集約してしまうととても負担が大きいです。その負担を少しでも軽くするため特許事務という位置づけの事務職が存在します。その一人が私ですねっ!

 ――な、なるほど。すごく説明口調のお答えありがとうございます(購読者に向けているのかな・・・)。ところで、特許事務所の管理統括ということは特許事務以外にも担当しているのですか?
  あ、そうですそうです。特許事務以外にも総務、庶務、経理全般やらせていただいています。最初はもう、税金やら社会保険やらわけワカメでしたよ。今では何とか慣れてきましたケド。会社がどう流れているのか仕組みが分かって勉強になりますよね。 

 ――おお!すごい。バックオフィスはまさに大嶌さんが支えているのですね(ワカメ・・・)。大嶌さんは確か大手の特許事務所で研鑽を積まれていましたよね。敢えて今の特許事務所にお勤めになった動機を教えてください。
 知財人として一度リセットしたかった、というのが正直なところです。二十五年間、大手特許事務所にお世話になって、すごく楽しかったしたくさん勉強になりました。最終的に外国管理部の管理者として抜擢してもらえて、仕事全体を見渡せる位置に就けたこと、重責でしたがホントありがたかったです。でも、その時気付いちゃったんですよね。自分の実力がまだまだだったんだって。大所帯で仕事が細分化されていたせいか、管理側に立つまで仕事の全容が全く見えていなかったんです。見えていなかったことに気付くまで二十数年かかっちゃいましたが、改めて特許事務の専門性と奥深さを目の当たりにしてもっともっと掘り下げて習得したいっ!て強く想うようになりました。もっと知財のリアルに密着した現場で働いてみたい。そんな折、長年付き合いのある弁理士さんが特許事務所を立ち上げようとしていました。私もいちから勉強しようって決めて今お世話になっています。

 ――大きな決断でしたね。新しいフィールドで感じたことはございますか?今後の展望などお聞かせください。
 お客様と密に接するぶん様々な対応を求められるので、特許事務以外にも幅広い知識を持っていなければ対応できないです。以前の環境とは全く違いますね。大変ですが、はっきりいってすごくやりがいがあります。もっともっと勉強して、弁理士さんからサポートを求められた時にきちんと対応できるよう備えていきます。一刻も早く実力を身に付けて知財人として成長したいです。そして、これまで関わったお客様の事業が成功する姿が見れたらもう、知財人として最高ですねっ。

 

特許業務法人 にじいろ特許事務所 管理統括 大嶌肇子
経歴:鈴榮特許綜合事務所で秘書業務に10年、外国特許事務に15年従事、最終職責は外国管理部次長、2015年 特許業務法人 にじいろ特許事務所の管理統括に就任
趣味:オートバイでツーリング2時間サスペンスドラマを録画しておいてまとめて鑑賞すること
一言:仕事が落ち着いたらスポーツクラブに通いたい!

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